茨城大学考古学研究会
鹿嶋市須賀古墳群発掘調査 2025年2~3月
2025年2月26日~3月8日にかけて、鹿嶋市須賀古墳群中の1号墳の発掘調査を行いました。
須賀古墳群は県内最大級の規模を誇る宮中野古墳群から1km程離れた台地上に位置しています。
2024年度に鹿嶋市どきどきセンターで行われた発掘調査では1号墳周溝直上から5世紀末頃とされる須恵器𤭯が出土しました。
これまで須賀古墳群は終末期の群集墳とされていたことから、その造営年代に疑いが投じられている現状であり、宮中野古墳群中やその周辺では中期古墳の様相が不明瞭である点からも注目されます。
茨大考古学研究室として約6年ぶりとなる泊まり込みでの発掘調査の模様をお届けします!
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トータルステーションを用いて発掘区の設定を行っている様子です。
本調査では円墳である1号墳墳頂から南側へ長さ20m、幅2mのトレンチを設定しました。
トータルステーションを操作し位置を指示をする人、その指示を聞いて杭を打つ人とのコミュニケーションが重要となる、正確性を要する作業です。
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長大なトレンチのほか墳頂部では4つの拡張トレンチを設け、埋葬施設の存在の確認を目指しました。その結果は...今後の報告をお楽しみに!
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調査終盤、墳頂部の拡張トレンチの撮影を行っています。当古墳群は北浦を望む台地縁辺部に位置しており、強風の中で作業することも珍しくありませんでした。
安全管理は調査を実施する上で最重要事項。脚立の足を支え、撮影者と機材の安全に細心の注意を払います。
今回の調査では鹿嶋市どきどきセンターの皆様、茨城県内の研究者の皆様、卒業生の皆様にご助言・ご協力をいただき、宿泊の際には茨城県鹿行生涯学習センター レイクエコー様ならびに茨城大学広域水圏環境科学教育研究センター様に大変お世話になりました。ありがとうございました。
今回の調査報告は令和9年度を予定しております。成果の公開はまだまだ先の話となりますが、7世紀に中臣氏の存在が確実視される鹿島、その重要な存在になり得る古墳に今後も注目してきたいと思います!